縁結びの神様・大山峻護の真骨頂
実は、過去のコラムで登場した垣原賢人さんは、元総合格闘家・大山峻護さんから紹介してもらったご縁だ。僕にとって、大山さんは、縁結びの神様のような存在だ。
僕と大山さんとの出会いは、ちょうど1年ほど前だろうか。アスリートとビジネスパーソンが集まる大規模な交流会でのことだった。若い頃から総合格闘技が大好きで、現役時代の大山峻護の勇姿をさいたまスーパーアリーナのスタンドから見たり、テレビの前で見ていた僕は、緊張して汗だくになりながら大山さんに自己紹介をしたことを覚えている。お互いの現在の活動を簡単に紹介しあって、「機会があれば取材してほしい」という大山さんの言葉に、僕はその場で二つ返事をした。そのときから、大山さんとの縁はずっと続いている。
大山さんの現在
大山さんは、現在、格闘技とフィットネスを融合した運動プログラム「ファイトネス」を企業に提供している。「ファイトネス」は、これまで100社以上の企業に導入されている人気の研修プログラムだ。その人気の秘密は、何と言ってもチームビルディングに繋がる一体感が得られることにある。大の大人たちが本気で笑い、恥ずかしさを忘れて、全力で体を動かす姿は、見ていて清々しさを覚えるほどだ。
もともと、大山さんが「ファイトネス」を企業に導入するきっかけになったのは、2015年12月より、従業員50名以上の会社に義務付けられた「ストレスチェック」のことを知ってからだった。厚生労働省が2015年に発表した「患者調査」によると、仕事上のストレスなどの理由から、うつ病を含む気分障害で医療機関を受診した総患者数は、111万6000人にのぼる。世の中の会社員の多くがストレスを抱えていることを知り、自分の持つ運動プログラムが社会に役立つのではないかと考え、この事業がスタートしたのだ。
時代を掴んだ大山さんは、アスリートが持つ能力と、社会課題を見事にマッチングさせて、「ファイトネス」をここまでの事業に成長させた。その手腕は見事というほかない。この先、ファイトネスがどのように進化して行くのか。大山さんの新たな挑戦は、もうスタートしている。
大山さんからもたらされた不思議な縁
僕のいまの執筆活動は、大山さんを抜きには語れない。約1年前の5月27日に、僕は大山さんの記事を東洋経済オンラインで書かせていただいた。この記事は大きな反響を呼び、ヤフーニュースをはじめ、多くの媒体に掲載された。掲載してくれた媒体の中の一つに、「OCEANS」というアラフォー向けのファッション・ライフスタイル系の媒体があった。書店やコンビニなどの雑誌コーナーにも陳列されている「OCEANS」は、僕にとっては、憧れの媒体の一つだった。その「OCEANS」の編集部は、数ある記事の中から、僕が書いた大山さんの記事を転載することを選んでくれたのだ。きっと、大山さんの人生が、アラフォー世代のおじさんたちに勇気を与えると感じたのだろう。
そして、僕は、それがきっかけで、以降、その「OCEANS」で記事を定期的に寄稿させてもらえるようになったのだから、まさに、大山峻護、様様(さまさま)なのだ。
そして、さらに1年後に、不思議なことが起こった。
2019年5月、冒頭の通り、大山峻護さんの紹介でプロレスラーの垣原賢人さんの記事をOCEANSで書かせてもらった。すると、今度は、なんと、東洋経済オンラインの編集部が、その記事を見て、逆に転載したいと言ってきてくれたのだ。
大山さんの記事が東洋経済オンラインからOCEANSに転載され、約1年が経った6月13日、大山さんの紹介で書いた垣原賢人さんの記事がOCEANSから東洋経済オンラインで転載された。
大山さんを中心にして、1年でぐるっと何かが巡り巡ったのだと感じた。
これを、「縁」と言わず、何というのだろうか。
このことを垣原さんに報告したら垣原さんはとても喜んでくれた。そして大山さんも、まるで自分の記事が出るかのように、垣原さんの記事が東洋経済オンラインで掲載されることを喜んでくれた。
こんな不思議なことを経験し、大山さんや垣原さんの人柄に触れながら、確かに見えない「縁」は存在するんだということを、僕は身をもって感じ始めている。